遠目には泣き通しに見えた川奈の新女王、藤田光里(ひかり、20)だが、優勝インタビューの写真をアップで見直すと、泣いているのだか、笑っているのか分からない。
緊張から解放され、涙も笑いも止められないほど、うれしいということなのだろう。今年のフジサンケイレディスクラシックは、例年にも増して劇的なラストシーンで幕を閉じた。
1つ前の組で通算7アンダーで先行していた松森彩夏とイ・ボミがそろってボギーをたたき、この時点でなんと6人が通算6アンダーで並んでいた。
最終18番はミドルホール。カップの位置は毎年おなじみ、右奥の狭いところに切られている。一ノ瀬優希と金ナリはともに安全策でグリーンセンターを狙った。2パットでパーを拾えば、プレーオフに持ち込める。
最後に打った藤田の2打目は狭い右奥に外れ、エッジに止まった。勝負の一打。
ただしコースアウト後に藤田が明かしたところでは、やはりグリーンセンターを狙い、6人でのプレーオフを戦うつもりが、右に出たのはミスショットだったというから、勝負のあやは分からない。