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【佐藤優の地球を斬る】戦略なき米の対露外交 腰砕けの強硬策 (3/3ページ)

2015.5.18 15:30

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(左から2人目)との会談に臨む米国のジョン・ケリー国務長官(右から2人目)=2015年5月12日、ロシア・ソチ(AP)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(左から2人目)との会談に臨む米国のジョン・ケリー国務長官(右から2人目)=2015年5月12日、ロシア・ソチ(AP)【拡大】

  • 作家、元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さん=2014年3月20日、東京都新宿区(大里直也撮影)

 影響力低下へ狡猾な計算

 ロシアの対中東政策は、米国の影響力を極力低下させることを目的にしている。それだから、ロシアはイランとシリアのアサド政権を支持しているのだ。イエメン内戦に関して、ロシアはサウジアラビアが空爆などの非人道的行為を行っていると激しく非難する。イエメンでイランは、フーシー派(シーア派)に武力を含めた支援を行い、内戦が起きた。放置しておくとこの影響がサウジに及ぶ。それだからサウジは有志連合を組織し、フーシー派を攻撃した。ロシアの人道非難は、サウジに対してのみ向けられ、イランの干渉には目をつぶっている。このような形で、イランを間接的に支援することで、アラビア半島南部における米国の影響が弱まることをロシアは狡猾(こうかつ)に計算している。

 現時点で、対露融和の姿勢を示しても、ロシアはそれをオバマ政権の「弱さの印」と見るだけだ。ウクライナにおいても、中東においても、オバマ政権が望むような協調体制をロシアと構築することはできない。米国には、ロシア式外交術が理解できないようだ。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優(まさる)/SANKEI EXPRESS

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