独自の世界観
12年にソロデビューしたフリアン・モウリンも、個性的なシンガー・ソングライターの一人だ。彼の場合はもう少しロック色が強く、ブエノスアイレスで活況を見せるインディ・ロック・シーンで評価されている。UKロックからブラジル音楽まで多様な要素を取り入れながら独自の世界観を作り上げるのだが、2作目「スール・ソラール」は、そんなフリアンの才能がさらに大きく開花したという印象が強い。ギター、ドラム、キーボードとあらゆる楽器を駆使しながらも、多くのゲストミュージシャンを招いてカラフルなアレンジを施し、どこかファンタジックな味わいの歌を披露する。さりげなくフォルクローレをにおわせるセンスも心憎い。(音楽&旅ライター 栗本斉(ひとし)/SANKEI EXPRESS)