中国の習近平国家主席(61)は23日夜、自民党の二階(にかい)俊博総務会長(76)が率いる約3000人の訪中団(財界や日中友好団体の関係者らで構成)と面会した際、安倍晋三政権の歴史認識を暗に批判する一方、訪中団のメンバーを「正義と良識のある日本人」などと褒めたたえた。日本政府と一般の国民を切り離す「二分論」を展開し、日本の世論に揺さぶりをかけようとする思惑があるとみられる。
日中関係をめぐっては、3月末から5月はじめにかけて自民党の谷垣禎一(さだかず)幹事長(70)や高村(こうむら)正彦副総裁(73)、額賀(ぬかが)福志郎元財務相(71)ら日本の要人が相次いで訪中し、それぞれ習主席との面会を求めたが実現しなかった。
「二階氏の力ではない」
2012年11月に中国の最高指導者となった習主席は対日強硬姿勢を崩さず、日本政府要人と会うことを極力避けており、今回の二階氏訪中に関しても、「習主席には会えないのでは」との見方が出ていた。