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2度の古里喪失 心に届く静けさ 「小森はるか+瀬尾夏美 あたらしい地面/地底のうたを聴く」 椹木野衣 (1/5ページ)

2015.7.27 11:40

小森はるか+瀬尾夏美「あたらしい地面/地底のうたを聴く」(21分35秒)ビデオ・スライド(提供写真)

小森はるか+瀬尾夏美「あたらしい地面/地底のうたを聴く」(21分35秒)ビデオ・スライド(提供写真)【拡大】

  • 瀬尾夏美「あたらしい地面」紙、鉛筆、ボールペン(提供写真)
  • 映像(右)とスライド(長塚秀人さん撮影)。(C)Photo_by_Hideto_Nagatsuka
  • スライドで映し出される言葉=2015年7月21日(原圭介撮影)
  • 展示風景(長塚秀人さん撮影、提供写真)

 【アートクルーズ】

 私の古里、秩父では、高度経済成長期のころ、山間の村がいくつか消えた。消えたといっても、蒸発したわけではない。新しくできるダムの底に水没したのである。いま、ひなびた集落のあった場所には、広い人工湖と堅牢(けんろう)なコンクリートの建造物が位置し、かつての面影はない。代わりに作られた小さな石碑だけが、むかしここにあった家の名と戸数を伝えるだけだ。

 陸前高田の現在

 古里が消える-それも根こそぎに。この感覚を、私たちは東日本大震災が起きることで、いま一度、痛切に思い出させられている。もっとも、他方でこれは、まったく新たな事態でもある。この大震災は、地震と津波、そして原子力発電所からの大規模な放射性物質漏れという、これまで誰も経験したことがない、未知の事故からなる複合災害だからだ。

 これにより、数えきれないくらいの人たちが古里を失い、震災から5年目の今年になっても、いつ帰れるかもしれない、仮住まいの生活を余儀なくされている。津波で土地ごと流された者と、放射能汚染され帰れなくなった者とでは、境遇の違いもあるだろう。しかし、かつてこれほどの数の人たちが離散し、家を失ったことはないのではないか。とうてい、ダムの比ではない。

手作りの花畑も

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