連日猛暑が続く今夏、しばし浸っていたくなるような、涼やかで無垢(むく)な歌声を聴かせてくれるソーク。まだ10代という彼女の音楽はフォーク調のギターサウンドに乗って歌われ、穏やかな時間を過ごせるうえに、遠い記憶をたどるような、どこか懐かしくタイムレスなもの。今やグラミー賞を受賞し、世界的な歌手となったアデルが、10代の失恋の歌を封じ込めた『19』というアルバムでデビューしたときを想起させるような、ありのままの思いを込めた詩情あふれる歌詞も魅力的だ。
分かち合える歌を
SOAKとは、「soul」と「folk」を合わせた造語で、彼女の母親が思いついて付けたという。北アイルランドのベルファストに生まれ、デリー(ロンドンデリー)で育ち、音楽好きの両親から英才教育のようにして、ベートーベンからジョニ・ミッチェル、ピンク・フロイドなど、流行に左右されない名曲をいつも聴かされていた。気づけば自分でも曲を作るようになり、14歳で地元の音楽コンテストで優勝。そこから少しずつプロへの道を歩みだした。