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【国際政治経済学入門】中途半端な元安 株価再暴落を招く (1/4ページ)

2015.8.26 08:30

中国の鉄道貨物輸送量と国際商品価格(いずれも2012年12月=100)=2012年12月~2015年6月。※データ:CEIC

中国の鉄道貨物輸送量と国際商品価格(いずれも2012年12月=100)=2012年12月~2015年6月。※データ:CEIC【拡大】

  • 中国・上海市の証券会社の株価モニターの前に突っ伏す投資家ら=2015年8月24日(ロイター)

 中国人民銀行が8月11日に人民元切り下げに踏み切ったのは、大失敗だった。不振が際立つ景気てこ入れのためだとされるが、決め手にはなりそうにない。むしろ資金の対外流出を招き、上海株価の再暴落につながっている。

 習近平政権は「強い元」を掲げ、元を「国際通貨」の地位に押し上げる野望を抱いてきた。国際通貨になれば、元に対する世界の需要が増えるので、中国の国際的威信が高まる。だが、国内にはデフレ圧力が加わり、景気の落ち込みはかなり深刻だし、不動産市況低迷に続く株価暴落と八方ふさがりだ。そこで、元相場を低めに調整せざるをえなくなったが、何とも中途半端だ。

 中国に愛国者なし

 大幅な元安政策であると国内外から受け取られてしまうと、資本逃避に加速がかかってしまう。資金を外に持ち出すのは主に、党関係者など中国国内の特権層である。中国に愛国者はいないのだ。そこで、人民銀行は3日間で元相場をドルに対して4・4%切り下げ、あとはこれ以上切り下げないというシグナルを国内外に送っている。

9月の訪米を控えている習近平国家主席

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