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俳優人生に重なる「人間の業」 三上博史、行定勲 舞台「タンゴ・冬の終わりに」 (1/4ページ)

2015.8.29 13:30

舞台は取り壊しの決まった北国の寂れた映画館で展開される。三上博史さん(右)と行定勲(ゆきさだ・いさお)さん=2015年、東京都新宿区(荻窪佳撮影)

舞台は取り壊しの決まった北国の寂れた映画館で展開される。三上博史さん(右)と行定勲(ゆきさだ・いさお)さん=2015年、東京都新宿区(荻窪佳撮影)【拡大】

 清水邦夫作、蜷川幸雄(にながわ・ゆきお)演出でたびたび上演されてきた戯曲「タンゴ・冬の終わりに」が三上博史主演、行定勲(ゆきさだ・いさお)の演出で再演される。約30年前の初演を見た三上、約10年前の再演を見た行定とも強く印象に残ったという舞台に各自が関わることでその理由をひもとこうとする。特に三上は俳優を引退して故郷に隠遁し精神を病んでいく主人公の人生に自分自身を重ね、鬼気迫る演技を見せる。

 「タンゴ・冬の終わりに」は1984年に清水が書き下ろし、蜷川演出で現在の東京・パルコ劇場で初演された。俳優の盛(三上)は引退を宣言して、妻、ぎん(神野三鈴)と北国の生家の映画館に引きこもる。華やかな時代を忘れられない盛を、かつて愛した女優の水尾(倉科カナ)と夫(ユースケ・サンタマリア)が訪ねてくる。だが盛はクジャクの剥製にとりつかれて錯乱、タンゴの調べに包まれる中、悲劇へと向かう。86年と2006年に再演されたほか、1991年にはロンドンでも上演された。

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