イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」がシリア中部の世界遺産パルミラ遺跡で神殿を破壊しました。
Q どんな遺跡ですか
A 紀元前1世紀~紀元3世紀、東西文明の結節点として栄えた隊商都市の跡です。シルクロードの難所シリア砂漠のオアシスとして知られ、ギリシャやローマ、ペルシャの古代文明と地元文化が融合。壮大な列柱道路や円形劇場が残っています。
1980年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)が世界遺産に登録、多くの人々を魅了してきました。奈良県立橿原考古学研究所が地下墓から出土した頭蓋骨を復顔するなど、日本とも関わりがあります。
Q 破壊の状況は
A 狙われたのは、パルミラ遺跡の代表的建造物の一つ、バール・シャミン神殿です。雨や豊作をもたらす神にささげるため、紀元1世紀に完成し、正面の大きな柱が特徴でした。大量の爆弾で爆破されたとみられ、インターネットで公開された画像には、黒煙を上げて爆発する神殿や、がれきの山と化した跡地が写っていました。