ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のウィンターコルン会長は23日、VWが米国でディーゼル車の排ガス規制を逃れていた問題で「不正の責任を取ることにした」とする声明を発表し、辞意を表明した。問題車両は世界で1100万台に上る可能性があり、責任明確化が避けられないと判断した。
VWの監査役会幹部らは23日、辞任申し出を受け入れるとともに、規制逃れに関わった社員をドイツの捜査当局に刑事告訴することを明らかにした。米国では司法省がVWの刑事責任を問うことも視野に入れているとされ、ニューヨーク州のシュナイダーマン司法長官が22日、実態調査を進めていると発表した。
会長の後任人事は25日の監査役会で決まる見通し。ウィンターコルン氏は規制逃れを「認識していなかった」としている。欧米メディアはグループ会社ポルシェのミュラー会長の名前を挙げている。
米当局、他メーカーも調査方針
この問題では米環境保護局(EPA)が18日に大気浄化法違反での調査を公表。その後の欧米メディアの報道によると、EPAはVWグループ以外が製造したディーゼル車についても、規制逃れの違法ソフトウエアが組み込まれていないか調べる方針を固めたという。