【アートクルーズ】
新潟市の広域にわたって、今年で第3回となる「水と土の芸術祭」が開催されている。2009年から新潟市の主催で始まった本格的な国際美術展で、同じ県内の十日町市・津南町で開かれ、3年に1度と開催年度も一緒で、全国的にも評判がすっかり定着した「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の、いわば弟分のような存在だ。
土地に根ざした理念
現在、日本の各地で行政が主導し、盛んに開かれるようになったこの類いの「芸術祭」は、もとはといえば、この「大地の芸術祭」(第1回=2000年)が発信源だ。その総合ディレクターを務めたアート・プロデューサーの北川フラムが、満を持して立ち上げたのが、この「水と土の芸術祭」であった。だが、紆余(うよ)曲折があり、北川氏は初回のみでディレクターを退く。第2回からは、やはりアート・プロデューサーの小川弘幸氏が、その立脚点をしっかりと引き継いで開催されている。