【アートクルーズ】
天に向かって飛ぶ白い象が描かれた金地の襖(ふすま)絵を背景に、ダイナミックに木枝を広げた盆栽がやはり天に向かって伸びてゆく。盆栽の木枝の一部は白くなっていて、まるで白い象と呼応するかのよう…。
兵庫県淡路市にある兵庫県立淡路夢舞台温室「奇跡の星の植物館」で行われているグリーンアート展に、京都を拠点に国内外で壁画やびょうぶなどを制作する壁画絵師のキーヤンこと木村英輝(ひでき)さん(73)の作品が登場。盆栽やコケなどで創り上げた庭とのコラボレーションによって、これまでにない空間を生み出した。
グリーンアート展は「伝統とモダンが織りなす庭」をテーマに11月8日まで開催される「あわじガーデンルネサンス2015」の第1弾として実施(キーヤン作品の展示はすでに終了)。普段はレストランや店舗、お寺などの室内を彩る襖絵が、天井の高い温室の中で盆栽やさまざまな植栽と競演した。
計8枚の象の襖絵は、1950年代に「象のいる百貨店」として親しまれた日本橋高島屋の80周年を記念して3年前に描かれたもの。これまではアトリエであるキーヤンスタジオに展示され、訪問客を迎えていた。また、襖絵は今回の展示のために裏面にも襖絵が施され、象の反対側に回るとレッドジャガーやクジャクなどが目に入る。