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解釈に差異 対象めぐり戸惑う現場 医療事故調スタート1カ月 (1/4ページ)

2015.11.4 09:00

群馬大病院で患者が相次いで死亡した問題を受け、設置された大学の医療事故調査委員会の会合。10月以降の調査制度では現場に戸惑いもみられる=2015年9月22日、群馬県前橋市(大橋拓史撮影)

群馬大病院で患者が相次いで死亡した問題を受け、設置された大学の医療事故調査委員会の会合。10月以降の調査制度では現場に戸惑いもみられる=2015年9月22日、群馬県前橋市(大橋拓史撮影)【拡大】

 医療の安全と質の向上を目的とした「医療事故調査制度」が10月1日に開始されて1カ月。事故報告を受ける第三者機関「医療事故調査・支援センター」にはすでに複数の死亡事故報告がある一方、報告対象となる「医療に起因、または起因すると疑われる予期せぬ死亡事故」をめぐって解釈に差異があるほか、遺族側の意見も反映されず、運用が始まった現在も医療現場には戸惑いが残っている。

 「判断の丸投げ困る」

 チーム医療が進み、高度化した医療現場で発生する事故を類型化し、報告対象に該当するかを個別に判断するのは難しい。日本医師会や各病院団体は独自にガイドラインを示しているが、その解釈は異なる。

 例えば「大腿骨頸(だいたいこつけい)部骨折の術後、リハビリのため入院中の患者を医療従事者が介助して入浴させたところ、患者が足を滑らせて転倒し、浴槽の中で溺れ死亡した」という事例。

 全日本病院協会の西沢寛俊会長は「報告する事例」として挙げるが、同じ病院団体である日本医療法人協会のガイドラインは「提供した医療に起因するとはいえない」ため報告対象ではないとする。日本医師会の松原謙二副会長も「自宅でも起こりうる事故は医療に起因するとは考えにくいのではないか」との見解を示す。

遺族側の意見反映を

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