観光客減少も
2008年9月のリーマン・ショック後、世界経済を牽引(けんいん)してきた中国は、不動産市況の低迷に加え、急成長を支えてきた投資と輸出が振るわず、今年の経済成長率は目標の7%を割り込む可能性が高まっている。
一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は12月にも利上げに踏み切る構え。利上げと同時に、巨額の投資マネーが新興国を離れ、高い利回りが見込める米国に流れ込む動きが加速しそうだ。投資マネーに成長を支えられてきた新興国の利上げに対する不安は根強い。
国際通貨基金(IMF)は16年の世界全体の経済成長率を3.6%と予測。今年より景気は上向くとみているが、テロの脅威は各国が誘致を競い合う観光客の減少につながる。過去の大規模テロの後には、世界的に株価が下落するなど金融市場も大きく混乱した。G20が効果的な対策を打ち出せなければ「世界経済が成長軌道から外れる恐れ」(IMF)は一段と高まりそうだ。(共同/SANKEI EXPRESS)