≪「シリアの代償を」 素顔のまま乱射≫
轟音(ごうおん)のロックライブ会場は一転して悲鳴に覆われた-。13日夜起きたパリの同時多発テロで最多の約90人もの犠牲者が出たバタクラン劇場。「シリアの代償を払ってもらう」。男が言い放ち自動小銃を乱射すると、観客らは次々と倒れ、逃げ惑う人々は阿鼻叫喚のパニックに陥った。生存者の証言や報道を基に恐怖の約3時間を再現した。
ショーと勘違い
「バンドメンバーが曲の合間にジョークを言ったりしてとても良い雰囲気だった」(生存者)。約1500人収容できる劇場は米ロックバンド「イーグルス・オブ・デス・メタル」のライブ中。混雑した会場で「観客らは踊ったりして楽しんでいた」。日本の人気女性グループPerfume(パフューム)らも公演した有名な舞台だ。
一変したのは午後9時40分(日本時間14日午前5時40分)ごろ。通りに面した劇場近くに1台の車が止まってからだ。