12月に入ると、一気にクリスマスムードが高まる。寒さも増して、一年の終わりを感じるようになってくる。こんな時に聴きたくなるのが、凛(りん)とした空気を感じさせる崇高な音楽だ。とりわけ、ヨーロッパのフォークロアをベースにした透明感のあるサウンドは、冬の空気に似合う。ここでは、古典音楽からオリジナル曲まで、さまざまなレパートリーを手軽に楽しめる2組の作品を紹介しておこう。
心洗われる清らかさ
まずは、アイルランドのアヌーナ。彼らは、中世アイルランドの音楽を現代によみがえらせるというコンセプトで、1980年代から活動している男女十数人で構成されたコーラスグループだ。アイルランド民謡や宗教音楽などもセレクトしたクラシカルな雰囲気を持っているが、中心人物であるマイケル・マクグリンが手掛けたオリジナル曲も交え、決して古くさく感じさせない、フレッシュな感覚が魅力だ。