「縁」を感じてくれれば
食べ物を粗末にするなと言われたときに、アフリカの飢餓やコンビニの廃棄物という文脈から感情を組み立てて理解するのは、子どもたちにとっては難しい。神社できちんとお参りしろと大人に言われただけでは、心がこもった参拝はなかなかできないだろう。そんなとき、かまどで炊いたご飯をわくわくしながら味わう体験をすれば、祖先の時代から米を大切にしてきた日本人の気持ちが素直に伝わっていくのではないだろうか。豊かな実りを与えてくれた日本の自然、米を作ってくれた農家の方、おいしくしなるよう心をこめてご飯を炊いてくれた人や、そのための器や道具を作ってくれた職人さんら、多くのものごとがひとつながりになって、茶碗一杯のご飯がある。そのことへの感謝が、祈る気持ちを生むのだと思う。