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【佐藤優の地球を斬る】米国育ちのテロリスト (2/3ページ)

2015.12.12 09:00

12月3日、米カリフォルニア州サンバーナディーノで、犠牲者の追悼集会に参加する人々=2015年(ロイター)

12月3日、米カリフォルニア州サンバーナディーノで、犠牲者の追悼集会に参加する人々=2015年(ロイター)【拡大】

  • 作家、元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さん=2014年3月20日、東京都新宿区(大里直也撮影)

 オバマ大統領は、銃撃戦で死亡したサンバーナディノ郡職員のサイード・ファルーク容疑者と、妻のタシュフィーン・マリク容疑者は、「イスラム国」(IS)などテロ組織から直接指示を受けたわけではないが、暴力的な過激思想の影響を受けて犯行に及んだ可能性があると指摘した。

 この事件は米国社会を震撼(しんかん)させている。なぜなら、今回の事件は、米国で生まれ育った市民がISの主張に共鳴して起こした初めての本格的なテロ事件だからだ。米国は、2011年9月11日に同時多発テロを経験した。このときのテロは、アルカイダによって国外から米国に送り込まれた活動家によって引き起こされた。2013年4月15日に発生したボストンマラソンテロ事件の犯人は、ロシアのチェチェンから移住した兄弟だった。

 イスラム教徒への敵視懸念

 今回の銃乱射事件が起きるまで、大規模テロは米国の外部からもたらされたもので、入国管理を厳重にするとともに米国内の不審な外国人に対する監視を徹底的に行えば、テロを防止することは可能であるという認識を大多数の米国人が持っていた。しかし、今回の事件で、米国で生まれ、自由で民主的な世俗主義的環境の中で育った人の中からもテロリストが生まれるということが可視化された。

イスラム教徒を一律に敵視する排外主義的機運が…

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