【アートクルーズ】
忘年会、クリスマス、正月、バレンタインデーと、お酒を飲む機会が増えるシーズンだが、ワインに関する蘊蓄(うんちく)を増やすのはどうだろう。国立科学博物館(東京都・上野公園)で開かれているワインをテーマにした日本初の大型展覧会「ワイン展」では製造法、歴史、美術などの分野からワインの秘密を解き明かしている。仕入れた知識を披露すれば、宴席が盛り上がるに違いない。
まずはワイナリー(蔵元、製造会社)にご案内。ブドウ畑での栽培や病気の予防、収穫や破砕、圧搾、発酵・熟成の様子を映像やパネルで紹介している。
ブドウの表面には、もともとカビやバクテリア、酵母などが付着していて、その中の酵母の一種「サッカロミケス・セレビシアエ」がアルコールを作り始めると、アルコールに対する抵抗力のないほかの菌は死んでしまい、ブドウ液はワインに育っていく。
案外知られていないのが、ワインのルーツだ。発祥は、いまから8000年前の紀元前6000年。南コーカサス(トランスコーカサス)の野生のブドウからワイン生成の奇跡が起きたといわれている。それが西は、地中海を経てギリシャ、ローマそしてヨーロッパへ、東はシルクロードを経て中国まで広まった。