パグアサ島には、フィリピンの漁民らが居住し、国軍も常駐している。だが、約25キロ沖合のスービ礁では、中国が岩礁を埋め立てた人工島で巨大滑走路を造成し軍事拠点化を進めている。パグアサ島を管轄する町長は昨年11月、中国の公船が、沖合2カイリ(約4キロ)に10日間停泊し、島への補給活動を監視していたと訴えている。
強烈な不満表明
一方、中国外務省の陸慷報道官は昨年12月、若者らの行動に「強烈な不満」を表明。フィリピンに、実効支配する島や岩礁から人員や設備の撤収を求めた。
中国による南シナ海の領有権主張をめぐっては、フィリピンの提訴を受けた国際仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が昨年10月末、本格審理を決定。来年中に判断を示すが、中国は仲裁裁判所に「管轄権はない」と応じない姿勢を示している。(シンガポール 吉村英輝/SANKEI EXPRESS)