後藤 「登場人物が何枚も自意識をまとっている感じだから、歌詞に書いたように“君は誰? 彼は誰? あの娘は誰?”みたいに聞き直したくなるんですよ。そういう観念的なものを脱ぎ捨てて、主人公に対しては、自分なりの何かっていうのを、もっとつかんで生きていってほしい。頭の中で練っていたり、変に悲劇のヒーローみたいな気持ちで生きていくんじゃなくて。でも、ああいう自意識の強さは何なんですかね。だから、そういうのが解きほぐれていくといいな、っていう思いを、今の時代の風景とも重ねながら、“映画が終わってこういう曲が流れるといいな”って、思いながら歌詞を書いていきました」(敬称略、構成:音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS)