「40年規制」の難題
規制委が最も頭を悩ませているのが、原則40年という運転期間を迎える原発だ。特別な審査を経れば20年の延長が可能だが、前段階の審査でつまずいている。
延長を目指す原発は、高浜1号機(運転開始1974年11月)、2号機(75年11月)と、関電美浜3号機(76年12月)の計3基。高浜は40年を超過しているが特例で猶予が与えられており、今年7月までに審査を終える必要がある。すでに3、4号機が審査に合格しており、安全対策はスムーズに進んでいるが、問題は美浜だ。
審査期限は11月末だが、規制委は「資料の提出も遅れており審査に時間がない」と打ち切りを何度も示唆した。しかし関電側は「経営上いずれも重要なプラントだ。審査には必死で全力で対応していく」(八木誠社長)と譲らない。
審査の進捗(しんちょく)について、規制委の田中俊一委員長は「寿命のある延長審査は、どこかで判断の決着が付く。柏崎刈羽の審査はそんなに長く時間がかかるとは思えない。それがいけば、他の所も進んでいくだろう」との見方を示した。(原子力取材班/SANKEI EXPRESS)