宝塚歌劇の昨年1年間の観客動員数は約270万人と過去最高となった。「ルパン三世」などの新作がファン層を開拓した。ただ小川友次(ともつぐ)理事長(59)は、一昨年の100周年記念の余波として「102周年の今年が正念場」と気を引き締める。マンガ原作の新作「るろうに剣心」などで演目の幅を広げ、英語サイトを開設して国内外の新規ファンを開拓、歌劇団の教育体制もてこ入れする。
「生徒たちには『これまでは100周年のご祝儀。これからはそう甘くない。一段とギアを上げよう』と伝えた」と小川理事長は気を引き締める。
訪日外国人へアピール
昨年の観客動員数は宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)と東京宝塚劇場(東京都千代田区)で計約216万人と、東京宝塚がオープンして2つの専用劇場体制となった2001年以降で過去最高となった。特に東京宝塚は前年比2万人増と急伸、訪日外国人客も増えたという。地方公演を合わせると動員数は過去最高の270万人。親会社の阪急阪神ホールディングスの収益にも大いに貢献した。