スウェーデン人のオラさんは15歳年上の兄の影響でバイクを趣味として楽しんでいたが、BMWのバイク・デザイン部門に所属し仕事として向き合うことになった。「R nineT」を担当するきっかけは2005年に上司だったBMWのデザインの最高責任者であるエドガー・ハインリッヒ氏をカスタムバイクの展示会に連れて行ったこと。
「スウェーデンは古くからカスタムバイクのカルチャーがとても発達していた。私も風景画としてマッチする、溶け込んでいくようなイメージを大切にして改造していました。展示会の後のブレインストーミング(アイデア出し)でエドガーさんが、BMWにカスタムバイクの部門があってもいいのではと言ってくれたんです」
そして08年のミラノ国際モーターサイクルショー(EICMA)に初めて試作品を送り出して注目された。「デザイン自体には苦労はしませんでした。ライダーたちに、自分のバイクを自分で作るという原点の面白さを分かってもらいたい。きっと受け入れられると思っていました」と、オラさん。