2016.1.24 11:00
【KEY BOOK】「僕の“ユリーカ”」(稲垣足穂著/沖積舎、2484円)
タルホの天体ものには30代に書き上げた『宇宙論入門』を始め、それを展開させた『遠方では時計が遅れる』など幾つかのヴァリアントがあり、『僕の“ユリーカ”』はその集大成。中身はかなり本格的で、天文学者たちの仮説挑戦の変転を追いかけながら、随所にタルホ独特のおシャレが行き届いて、宇宙論に詳しくない者も堪能できる。ぼくが驚いたのはド・ジッターやアインシュタインの宇宙モデルを読み解く模型感覚の鋭さだった。文理融合はここからだ。
絶対少年的なダンディズムを謳歌した人
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