民間銀行が日銀に新たに預ける資金がマイナス金利の対象で、これまでに預けた資金には引き続き年0.1%の利息(付利)を付ける。黒田総裁はさらなる金利引き下げを行う考えも示した。
物価目標3度目先送り
長期国債の金利が歴史的な低水準で推移する中、日銀への預金は貸出先に乏しい金融機関の有力な運用手段になっていた。マイナス金利は銀行の収益を圧迫する懸念がある上、コストを貸出金利に転嫁する動きが広がれば、景気を下押しする恐れもある。マイナス金利決定は、9人の政策委員のうち5人が賛成し、4人が反対した。
日銀は大規模緩和で、市場から長期国債を年約80兆円買い入れ、代わりに資金を供給してきた。だが日銀の購入額は政府が発行する国債とほぼ同等となり、流通する国債も減っているため、市場では買い入れの一段の増額は困難との見方が強まっていた。
日銀は会合後に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、物価見通しを下方修正した。日銀が目指す2%の物価上昇目標の達成時期を「2016年度後半ごろ」から「17年度前半ごろ」に先送りした。延期は昨年10月に続いて3回目。