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文明社会はハンセン病(癩病)を差別しつづけた 『ハンセン病:日本と世界』という記念すべき一冊 松岡正剛 (1/5ページ)

2016.2.28 14:30

 【BOOKWARE】

 右の写真は平沢保治(やすじ)さんである。1927年の茨城生まれ。ハンセン病患者として国立療養所の多磨全生園に入り、回復したのちはさまざまな社会運動にかかわってきた。ごく最近では宮崎駿(はやお)さんとの対談なども果たした。『もののけ姫』はハンセン病を扱っていた。

 平沢さんに自由の効かない両手先で持ってもらったのは、ぼくが監修し執筆もした『ハンセン病:日本と世界』という一冊である。多くの執筆・対談・アンケートと図版・写真・資料を収めた最新のハンセン病ブックになっている。

 世界の文明史上、ハンセン病ほど苛酷に差別された病気はない。聖書の時代からこの病気は「レプラ」などとして忌避されて、世界のあらゆるところで隔離がおこり、多くの患者がほぼ強制的に療養所という名のゲットーや孤島に閉じ込められてきた。

 日本では「癩」(らい)あるいは「業病」と呼ばれ、光明皇后や叡尊や忍性の救済活動などもあったものの、説経節(せっきょうぶし)の『身毒丸』『愛護若(あいごのわか)』などは、その凄まじい被虐の様子を哀切をもって世に広めることになった。

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