【対話の達人】
メッセージを伝える方法は言葉だけではありません。身ぶり手ぶりに代表される非言語伝達は、言葉の意味を補ったり強めたりするので効果的に使いましょう。例えば、恋人に向かって目も合わさず「愛してるよ」と言うより、抱きしめて目を見つめ「愛してるよ」と言った方がメッセージは強く伝わります。しかし、非言語伝達を使うときは注意が必要です。
まず言葉の意味を強める目的で使う非言語伝達は、多用すると効果が薄れてしまいます。毎朝玄関先で抱きしめるのはお勧めできません。
次に言葉の意味を補填(ほてん)する目的で使う場合は、相手がその非言語伝達を理解できなければ混乱を招いてしまいます。身ぶり手ぶりの持つ意味は全世界共通ではないのです。
私が中国に出張に行ったときの話です。その店の中国人マッサージ師は、日本語も英語も話せませんでした。しかし、マッサージのしぐさをして見せると、すぐに熟練の技で2時間ほどたっぷりとほぐしてくれました。