北、制裁強化に反発　ミサイル発射　安保理、全会一致で決議採択 (3/4ページ)

　≪米が内容重視　異例のマラソン交渉≫

　国連安全保障理事会による北朝鮮への新制裁決議は１月６日の北朝鮮による核実験から採択まで約２カ月にわたるマラソン交渉となった。異例に長期化したのは、対話を重視する中露が厳しい制裁に慎重な一方で、交渉を主導する米国は制裁内容を重視する姿勢を貫いたからだ。

　米国は序盤の中国との交渉で、北朝鮮への石油輸出禁止を盛り込んだ草案を提示した。石油禁輸は、太平洋戦争の前に米国が日本に科し、日本が開戦に踏み切るきっかけの一つとされる最強の制裁措置。北朝鮮の暴発を恐れる中国が簡単にのむはずもなく、交渉は約１カ月停滞した。

　潮目が変わったのが、２月７日の北朝鮮による事実上の長距離弾道ミサイル発射だった。中国も重い腰を上げ、今回の制裁の肝である北朝鮮への航空機燃料・ロケット燃料の輸出禁止を容認、合意にこぎ着けた。

　それまで決議案が提示されなかったことに不満を感じたロシアが終盤に採択に難色を示したが、米国は織り込み済みだった。米中合意前に決議案を渡せば、内容を薄める圧力がかかるのは目に見えていたからだ。

首相、関係国に履行呼び掛けへ