≪娘を思い出すと今でも涙が出ます≫
真新しいこぎれいな家が立ち並ぶ団地。中央の広場ではボール遊びや駆けっこができる。
東京電力福島第1原発事故で、福島県飯舘村から避難してきた佐藤優菜(ゆうな)さん(14)、綾花(あやか)さん(12)、榛香(はるか)さん(10)の3姉妹。一昨年9月、集合住宅から、福島市に完成したこの団地の一戸建てに引っ越した。
「福島市での生活にも慣れました」と3姉妹。受験、バレーボール、習字とそれぞれが新生活に前向きに取り組む。
村では学校を含め来年度中の帰還を目指すが、村民の胸中は複雑だ。村には、いまも廃棄物を入れた黒い袋が積み上がり、復興工事のダンプが走り回る。除染の程度も心配だ。
「帰村については、もうちょっと様子を見てから考えたい」。父の隆一さん(39)はつぶやいた。