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「良心の領界」に挑み続けた知性 スーザン・ソンタグの美しい礼節とラディカルな注意力 松岡正剛 (1/3ページ)

2016.3.13 10:30

 【BOOKWARE】

 ぼくが初めてニューヨークに行ったのは1978年の冬だった。医者のルイス・トマス、アーティストのナム・ジュン・パイクとジャック・スミス、そしてスーザン・ソンタグと対談収録をするためだった。最初に本がぎっしりのスーザンの書斎に行ったら、ぼくの対話相手のリストを見ながら「こんな人選ができる者はアメリカにはいないわよ。それが日本人のセイゴオだなんて!」とウインクをした。

 ぼくは『反解釈』と『ハノイで考えたこと』という2冊に参っていた。当時の若者が使っていた「キャンプ」という言葉や、ベトナム戦争に突入したアメリカの疎外感を素材に、文明や文化の端っこに生まれた裏返しの感覚の動きを分析したもので、こんな鋭いクリティックの持ち主はいないと思った。それに武満徹さんから「ニューヨーク一番の知性といったらソンタグだ」と聞いていたので、ぞくぞくしながら話しこんだ(のちに日本に来るたびにぼくの仕事場にも来てくれるようになった)。

注意力の形成

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