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連載を経て気づいた虚の魅力 平松昭子 (2/3ページ)

2016.3.27 14:00

(イラスト:平松昭子さん提供)。http://kimonosnack.blogspot.com

(イラスト:平松昭子さん提供)。http://kimonosnack.blogspot.com【拡大】

 最近、SNSに投稿するために室内をよく撮影していました。それらの写真をスクロールしてみると、やはりある日を境に、2階の窓辺の本が消えています。その前後をよく比べてみると、本が消えた方の写真のブラインドが上がっていました。もしかしてと思い、窓を開けて下をのぞくと、半地下のコンクリートの地面の上に枯れ山水の表紙が…。犯人は、鍵を忘れて窓から侵入した息子でした。

 さて、この連載も今回で終わりです。5年以上も和について自由に書かせていただきとても楽しい連載でした。タイトルの「和のスタイル」について、毎回じっくりと考え、ネタが尽きるかもと心配になったこともありました。しかしまだまだ調べてみたいことやみなさまに伝えたいことが山ほどあります。その中の一つに、連載当初には気づかなかった虚の世界の魅力。何もない空間で体一つで表現する舞の世界と、砂と岩だけの枯れ山水、どちらにも共通するのは虚の空間。虚について、偽物、まやかし、嘘つきのようなイメージがありましたが、和のスタイルを考えるたびに虚の割合が非常に大きく、しかもマイナスイメージではないことに気づきました。最後に和のスタイルとは?と尋ねられたら「楽しいまやかし」、そう答えたいです。

長い間ご愛読いただきありがとうございました。

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