まるで宝石…華やかさにユーモアも　パリのエクレア　「レクレール・ドゥ・ジェニ」 (3/3ページ)

　桜の花にこいのぼり

　これまでに作ったエクレアは約２００種類。日本では、小豆や抹茶など地元食材にこだわったものを考案。桜の時期には、ほうじ茶とさくらんぼのクリーム入りに桜の花びらをちりばめ、こどもの日にはこいのぼりを泳がせるなど、季節の工夫も忘れない。

　フランス国内では今秋までに１０店舗目がオープン。海外展開では日本の５店（日本橋、横浜、新宿、大阪、京都の各高島屋）のほか、香港やソウルなどにも進出する。

　アダンさんの白い仕事着の左胸には、大きな丸の中にエッフェル塔が描かれたロゴがプリントされている。昨年１１月にパリで同時多発テロが起きた後、「テロを決して忘れない」との意思を表すため、自らデザインした。マレ地区の店はテロ現場からさほど遠くなく翌日は店を閉めたが、「甘い物は人を穏やかな気持ちにしてくれる」と２日後には再開したという。

　アダンさんのエクレアはいろいろな飾りがあり、華やかで、土産に持っていくと喜ばれる。「エクレアは人をハッピーにしてくれる力があると思います」。こう言って笑顔をみせた。（田中幸美（さちみ）、写真も／ＳＡＮＫＥＩ ＥＸＰＲＥＳＳ）