【ハチイチサン】被災地寄り添う箭内スタイル

2014.7.4 16:10

 「明日死んでもいいという生き方をしてきた。でも震災が起きて支援をすると決めたら長生きしなきゃと思うようになった」と箭内(やない)道彦さんは冗談めかして笑う。派手な金髪の、当代きってのクリエイティブ・ディレクターの素顔はシャイな東北人そのものだ。

 箭内さんが支援活動で大切にしている言葉に“not doing , but being”という言葉がある。無理やり何かしなくても、側にいるだけで大きな力になるという意味だ。

 7月6日(日)22:00~放送の『J-WAVE SELECTION Hitachi Systems HEART TO HEART』の取材でも箭内さんの寄り添うスタイルは変わらない。取材相手の話に静かに耳を傾ける。箭内さんのインタビューを見ていると、これまでの取材が震災を伝える側の論理で進めていたと気付かされる。それは同時に、番組が被災された方をどうやったら応援できるのかという問いにも繋がってくる。被災地には言葉では言い表せない壮絶な現実がある。被災された方々のそれぞれの復興という厳しい試合では、決してわれわれは選手にはなれない。なれるのはスタンドで声をからすサポーターだけだ。

 今回のテーマは「言葉」。被災地で「頑張れ」という言葉で、勇気づけられる人がいる一方、プレッシャーと感じる人、これ以上何を頑張れというのという人、いろんな方がいることを知ったことがきっかけだ。言葉でどう伝えるか、どう励ますか、われわれの番組作りのテーマでもある。今回も箭内さんは多くの方の話を静かに聞いていた。箭内さんはこれからも寄り添う支援スタイルを続けるだろう。フィールドには立てなくても、厳しい戦いを続ける仲間に、ここにいるよ、一人じゃないよというシグナルを送りながら。われわれも一人でも多くサポーターという試合の当事者を増やしながら、被災地に寄り添いたい。そう思っている。(J-WAVE(81.3FM)番組ディレクター 森谷文晶/SANKEI EXPRESS)

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