2015.11.16 14:00
≪見慣れた街 切り取り方で違う趣≫
いよいよ夜景撮影の季節がやってきました。
「え? 夜景の撮影に良い条件の季節ってあるの?」
そんな疑問の声も聞こえてきそうなので、簡単に説明しますと以下の3点の理由からです。(1)秋から冬は気温低下に伴い空気中の水蒸気が減るために、空気の透明度が上がる。それだけ街の明かりがくっきりと映し出される。(2)日没が早くなるため、撮影に夏よりも早めにとりかかることができる。(3)寒さで夜景を楽しむ人たちが少なくなるために、周りに気兼ねなくじっくりと撮影に臨める。
もっとも今お住まいの地域によっては多少の違いがあるので、突っ込みなしで、あくまでも一般論として参考にして下さい。
と、ここまで書きながらふと気がついたことがあります。よくよく考えてみると、iPhoneってそれほどまで気張って撮影するものでもないし、手軽さが売りのはず。ウンチクはこの際なしで、それよりも通勤・通学からの帰り道に、ちょっと街をぶらついて夜景にチャレンジしてみて下さい。
夏よりもこれからのシーズンの方が、明かりが格段に映えてくることは間違いありませんからね。
ただし、寒さでシャッターを押す際に手がかじかんでぶれやすくなりますので、お気をつけ下さい。(写真・文:写真家 野口隆史/SANKEI EXPRESS)
■のぐち・たかし 写真家。1960年、名古屋市生まれ。札幌市在住。元朝日新聞社写真記者。現在は取材・撮影プロダクション「ホロト・プレス」代表として、特約で国内外の通信社で報道にかかわるほか、さまざまな媒体でアートシーンからドキュメンタリーの撮影を行っている。ネイチャーズ・ベストフォトグラフィー・ジャパン「スミソニアン特別賞」受賞。現在はスマホ写真家としても活動中。
【ガイド】
SANKEI EXPRESS連載「iPhoneでアートする」でおなじみの写真家、野口隆史さんの写真展「iPhoneで身近な世界をアートする Vol.3」(フォトライフ協会主催)が北海道札幌市北区北14条西3丁目2ノ19「フェアトレード雑貨&レストランみんたる」で開催中です。11月29日(日)まで(正午~午後7時、月曜定休)。
Facebookの投稿から始まった「iPhoneで身近な世界をアートする」。FB仲間が野口さんの投稿を見て撮影を始め、気付けば5人のグループになり、今回で3回目の写真展を行っています。メンバーは野口さんのほか、渡邉恭一さん、行形直美さん、田中恵里子さん、渡辺みなみさん。いずれも福島から原子力災害による健康被害をおそれて札幌に避難してきた仲間ばかりです。毎日投稿している写真の中から、それぞれが5点ずつ厳選した計25点を展示しています。iPhoneやiPadで撮影した身近な世界をお楽しみ下さい。
会期中はスマホ写真講座(女子フォトiPhone、パパとママでiPhoneなど)を予定。写真ポストカードや写真雑貨の販売もあります。問い合わせは(電)011・756・3600みんたる。