雪辱の快走 鈴木亜由子、1分37秒差を逆転 都道府県対抗女子駅伝 愛知初V

2016.1.18 05:00

 中学生から社会人までがたすきをつなぐ第34回全国都道府県対抗女子駅伝が17日、京都市西京極陸上競技場発着の9区間、42.195キロで行われ、最終9区で逆転した愛知が2時間16分2秒で初優勝を果たした。

 1区で20位と出遅れた愛知は、5区の小倉久美(トーエネック)、7区の向井智香(ちか、至学館高)がともに区間2位のタイムで順位を上げた。8区の細井衿菜(えりな、矢作中)が総合4位でつなぎ、アンカーの鈴木亜由子(日本郵政グループ)が首位との1分37秒差をひっくり返した。

 2位は20秒差で兵庫が続き、3位は群馬。9区で失速した京都が4位、2連覇を狙った大阪は12位だった。

 「同じ展開」発奮材料に

 たすきを受けたときには1位の京都と1分37秒差、約500メートルのリードを許していた。大逆転劇の立役者、愛知の鈴木亜は「正直、1位になる自信はなかった」と目を白黒させた。

 ダイナミックな走りで猛追し「先頭車が見えて元気が出た」と残り1.7キロ付近でとらえる。迷うことなく置き去りにし、競技場へ突き進んだ。

 昨年も9区を走り、トップからちょうど1分遅れでたすきを受けて猛追したものの、1位と3秒差の4位に甘んじた。区間序盤は「昨年の再現かな」と嫌なイメージが頭をよぎったものの、「同じ展開だ」と発奮材料に変えた。追い付くのがやっとだった前回の反省を生かし、勝負をつけるスタミナもしっかりと残していた。

 リオ五輪シーズンへ弾み

 昨年の世界選手権5000メートルで9位に食い込み、リオデジャネイロ五輪の有力候補に躍り出た。年末年始に左腸腰筋を痛めるトラブルに見舞われたが、年明け最初のレースに向けてきっちりと調整した。ともに世界選手権を戦った群馬の西原加純(かすみ、ヤマダ電機)は「抜かれてから気付いた。明らかに走りが違った」と感嘆するしかなかった。

 愛知の米田勝朗監督は「まさか1分半以上の差を逆転できるとは思っていなかった。鈴木亜は並の選手とは違うなという感じ。彼女がいるチームで優勝できてよかった」と喜んだ。

 幸先のいいスタートで、春のトラックシーズンへ弾みをつけた。24歳のホープは「日本選手権でしっかり勝ち、リオでもう一度チャレンジしたい」と明確な目標を口にした。

 京都は2年連続の涙

 一方、2年ぶりの優勝を狙った京都は5区から首位を走っていたが、昨年に続き、最終9区でトップの座を明け渡して4位に沈んだ。アンカー奥野有紀子(資生堂)が1分以上のリードをもらってスタートしたが、8.3キロ付近で鈴木亜にかわされ、その後もずるずると後退。昨年もアンカーを務めて敗れていた奥野は「まだまだ力が足りない」と再び涙した。沢井宏次監督は「それぞれの力を出した結果」と受け止めた。(SANKEI EXPRESS)

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