【激旨!さかな祭 JAPAN FISHERMAN’S FESTIVAL】(7)魚のおいしさ知るきっかけに

2016.2.24 14:00

 ≪ブリのかす汁≫

 「加賀料理 やまぐち」のシェフ、山口利和さんのモットーは「日本古来から続く、素材本来の味を生かす調理を心掛けること」。伝統を守り続ける山口さんが、今回のイベントで出す料理は「ブリのかす汁」。石川県では寒い時期によく食べられる郷土料理の一つだ。

 「ブリの骨とタイの頭を煮詰め、かつおだしを加えます。そこに、石川県の酒蔵から手に入れた純米吟醸酒の酒こうじとみそを合わせて仕上げます。野菜とブリを一緒に煮込んでいるので、ブリのうまみがだしに広がります。お汁の奥深さを感じてもらえる一品だと思います」と山口さん。

 山口さんも魚食が減っている現状を憂う一人。「魚の消費が減っているのは、魚のおいしさを忘れているからだと思います。肉が主流になり、魚料理と接する機会が減ってしまうと、魚のおいしさを忘れてしまいます。新鮮な刺し身や、おいしく調理された魚介類を食べて、おいしいと感じれば、魚の見方や感じ方が変わってくるはずです」。山口さんは、そう信じているという。

 ≪ペスカトーレ/ウニのアランチーニ≫

 テレビの料理番組などでおなじみの「アルポルト」のシェフ、片岡護さん。今回のイベントでは、2品提供する。

 1品は「ペスカトーレ」。漁師が売れ残った魚介とトマトソースを煮込んだ“漁師飯”だ。「本来、肉を使って煮込むソースですが、魚介をじっくり煮込んでうまみを凝縮しました」と片岡さん。パスタの上には、ホタテ、イカ、アサリ、さらにソテーした手長エビを添える。

 もう1品は、イタリアのシチリアやナポリの名物「アランチーニ」。ライスコロッケだが、小さなオレンジに形が似ているので、この名前が付いたそうだ。片岡さんは「残ったリゾットの再利用レシピとしても知られています。今回はウニを使います。ウニのうまみとお米の相性は抜群ですよ」。

 片岡さんは「体に合ったものを食べるのが健康に一番よい」という考えの持ち主。「日本人にとって、魚介類は大切な食材。欧米のように肉に偏らず、魚などもバランスよく食べるべきだと思います。このイベントが魚好きのきっかけになれば」と願っているそうだ。

 =おわり(SANKEI EXPRESS)

 【ガイド】

 ■極旨!さかな祭 <日時>3月3日午後4~9時▽3月4日午前11時~午後9時▽3月5日午前10時~午後9時▽3月6日午前10時~午後6時※雨天決行、荒天時は中止。<会場>東京・日比谷公園。<参加料>500円(税込み)。※料理の代金は別途必要です。※小学生以下は、大人1人の付き添いで4人まで無料。

 【問い合わせ】ジャパン・フィッシャーマンズ・フェスティバル実行委員会事務局(電)03・5418・5054(平日午前10時~午後6時)。※料理メニューは、予告なく変更になる場合があります。

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