“視界不良”は少数民族弾圧のツケ
ちなみに中国全土では、このところ年間数十万件にのぼる反政府暴動が頻発しているそうです。ウイグルやチベットの暴動こそよく耳目にしますが、総計50以上を数える少数民族の弾圧は、各地で大小取り混ぜた騒動を惹起しているのです。
それに加え、経済成長政策の基幹戦略だった都市化が行き詰まった結果生まれた諸問題が一気に噴出しています。資源不足、汚染、食糧不足と安全問題などの社会不安、格差拡大、失業、汚職、バブル崩壊寸前…。こうした現象も相まって、表面化している社会・政治的暴動だけでも数百数千を数え、庶民の鬱屈はマグマのように全土に広がっているものと見られています。
あいにく、北京はPM2.5問題で、濃煙深く、視界もきかないようですが、共産党政権の「聖地」ともいうべき天安門での抗議暴発事件は、三中総会を間近に控えた中央政権中枢にとっても、大きな衝撃だったでしょう。中国のゆがんだ諸政策のツケが今まさに習政権の視界不良、聖地汚辱事件になって現れてしまったとも言えそうです。