「毎日が退屈だった頃からは人生が激変した。いろんな人と出会えるのがうれしい」
その一方で、「食べ物を粗末にするな」という指摘もしばしば受ける。「そう言われる前から、制作中に削った部分は食べ、出来上がった作品を食べることにしているんですけどね」
完成した作品は、画像データでしか残らず現存しないため、他の芸術作品のような展覧会が開けない。しかし、今年4月、東京の画廊からの誘いで作品の写真展を開催することができた。反響は大きかった。
「実物ではなく、写真で見ても記憶に残るような作品を作っていきたい。思わず笑ってしまうような…」
自ら開拓した「バナナ彫刻」の世界。それゆえ、他の素材に“浮気”する考えは毛頭なく、バナナ彫刻をきわめることが、一番の目標だ。「ずっとバナナ一本で」-。