利用者からの喜びの声に、橋下市長も満足げだ。9月3日の定例会見では、地下鉄トイレに関する自身の思い出を披露。約35年前の小学生当時の新大阪駅のトイレを例に挙げ、「臭いし汚いし、どうなってるんだと思ってたんですけど…」と振り返り、「やっとお客さまに対するサービス意識が出てきたんじゃないですか」と評価した。さらに、「国鉄もJRになって急にサービスが良くなったと国民が感じてますよ。大阪市の交通局も(民間出身の)藤本(昌信局長)が大号令をかけて、職員意識を変えていった結果だと思います」と続けた。
きっかけは乗客の苦情
藤本局長は、京阪電鉄出身で、市営地下鉄・バス民営化の切り札として、橋下市長に請われて市交通局長に就任した。トイレの改修は、その藤本局長が掲げた「劇的なサービス向上」プロジェクトの大きな柱で、今里筋線を除く全112駅が対象。29億6千万円の予算を組んで平成24年から4年計画で段階的に工事を進め、9月1日現在で59%にあたる66駅で完了した。