【試乗インプレ】冬のオープン走行は快適か ホンダ「S660」で検証してみた (3/5ページ)

 巻き込む走行風で髪型は乱れ、風切り音は特大

 以上、検証のとおり寒さに関しては大きな問題はなく、オープンにしているからといって、必要以上にスピードを抑えて走るようなことはせずに済んだ。しかし、難点が一つ。これは冬に限った話ではないのだが、頭頂部は巻き込んだ走行風にさらされるので、髪型が崩れる。女性でロングまたはセミロングなら後ろで束ねればなんとかしのげるかもしれないが、短めのヘアスタイルだとちょっと覚悟が必要だ。刈り上げ部9mmの筆者のような短髪であれば、全く問題なし。

 それと、オープンだから当たり前なのだが、風切り音はやはり大きい。車高が低いため乗った時の視点が低く、ただでさえ普通のクルマよりもスピード感が強調されるのに、風切り音も大きいので、法定速度内であっても高速道路を走るのが怖いと感じる人もいるかもしれない。加えて、助手席との会話はかなり大声を出さないと相手に聞こえない。雰囲気が大事なデートカーとしては不向きと言えよう。まぁ、そんな目的でこのクルマを選ぶ人はいないだろうから大きなお世話ですが。

 乗る人を若返らせるクルマ

 ここまでオープンカーとしての快適さを見てきたが、純粋にクルマとしての魅力についても触れておこう。

 乗る人を若返らせるクルマ、と見出しで謳ったのだが、これはいわゆる“回春剤”的な意味ではない。軽自動車の自主規制の枠内に抑えられたエンジン性能には、アクセルを踏み込んでテンションが上がるような要素はないし、このクルマで女性をドライブに誘っても、上の検証結果からも想像がつくとおり、よほどのクルマ好きの相手でない限りは、次の誘いは断られるだろう。では「乗る人を若返らせる」とはどういうことか。

200万円が高いと思うか、安いと思うかは乗る人次第