シートアレンジは、倒すか、起こすか、というシンプルな二択。どのシートを倒す(起こす)際も全てワンアクションで操作できる。1、2分もあれば、どんな組み合わせのアレンジも完了してしまう。3列目に乗り込む際に、2列目を座面ごと倒すのもワンアクションで非常に簡単。後部ドアの作りも大きめなので、乗り込み自体はスムースにできる。
2、3列目を全部倒せば、大人2名が車中泊できるほどな広大な荷室が広がる。自営業のユーザーが平日は業務用として活用するのもアリかも。
「ゴルフ」の名は伊達じゃない 運転するパパ・ママが楽しめるミニバン
さて肝心の走りだが、トゥーラン最大の美点はまさにここにある。前述したMQBプラットフォームベースの車種特有の完成度の高い走りは、このトゥーランにもしっかり受け継がれていた。今回の試乗では、ヘアピンカーブと急勾配が連続する日光・いろは坂を、あえてミニバンに似つかわしくない元気よいペースで試走してみた。というのは、日光での試乗当日は人の都合がつかず私の一人乗車だったので、多人数乗車で高負荷というシチュエーションが試せなかった。その代わりに、一人乗車でハイペースを保てれば、多人数乗車時の通常走行でも余裕があると判断できるだろうとの想定をしたわけである。果たしてその結果は…
フォルクスワーゲンの現行主要車種にはドライブモード切り替えの機能が搭載されており、シチュエーションに応じてモードを切り替えると、アクセルやハンドルのレスポンス、シフトチェンジのタイミングなどを変化させることができる。いろは坂では「スポーツ」モードに切り替えて高回転を保ったままアクセルを踏み込むと、持て余すほどの加速を見せ、意のままに走ってくれた。これなら満員乗車でもパワー不足を感じることはなさそうだ。