道路の継ぎ目が気になる硬めの乗り心地 意図的な設定か
今回の試乗は千葉県が舞台。高速道路は京葉から東金、九十九里道路から館山道へ。山坂道は養老渓谷周辺を走った。乗り心地は全般的に硬めだが、スピードに乗るほど安定する。接地感が非常に高く、安心してアクセルを踏み込める。その一方で、高速の継ぎ目乗り越えが気になるなど、ダンパーがうまく働いてない感じが惜しい。これはスポーティーモデルとしての意図的な設定もあるのだろうが、フル乗車で荷物も満載、というステーションワゴン本来の用途を考えた上での設定なのかもしれないとも感じた。
過剰とも思える強烈なパワー ダイレクト感薄めのミッション
リアルスポーツセダンのWRX・S4に積まれているのと同じこのエンジン、公道ではとてもその全性能を使い切れない。高速道路の料金所からの発進で試したが、時速0~100キロでの加速は6秒を切っていた。アクセルレスポンスがよく、すごい加速。しかしながらGはさほど感じず、気がつくととんでもないスピードになっているという感じ。300馬力、40キロのトルクは伊達ではなく、トルク感がクルマのサイズ感を遥かに超えていて、1.5トンの車重を全く感じさせない。それでいて、過敏すぎることなく、扱いやすい。ボディ剛性の高さと相まって、欧州車、特にドイツ車のようなカッチリした乗り味。これでダンパーの効きを調節できたら本当に欧州の高級車並みになる。2500回転あたりからターボ過給の「シューン」という音が程よく聞こえて気分が盛り上がる。
CVTなのでダイレクト感は薄い。トルコンATのようなステップ変速をしているということだが、あまり体感できなかった。実際よりも加速感がソフトなのはこのせいかもしれない。ドライブモードを「S#」に切り替えるとダイレクト感が多少出るが、このエンジンはDCTで乗ってみたい。不自然さはないので慣れの問題と思うが、ちょっともったいない。