フランス車としてはもっともコンサバ
ボディデザインは、フランス車としてはもっともコンサバティブ。フランスの他メーカーであるルノーやシトロエン(DS)などと違って、国産車のデザインに馴染んだ日本人の目にも抵抗なく受け入れられる、いい意味でのおとなしさが特徴だ。それでいて、国産車とは異なるオーラもそこはかとなく発しているから、輸入車オーナーの優越感もちょっぴり味わえる。人間に例えるとハーフっぽい地味めの優等生という感じ。「あんまり目立つのは恥ずかしいけれど、輸入車には乗ってみたい」という微妙なニーズに合致する点で、独フォルクスワーゲンとユーザー層が重なる。
そう言えばGTiというネーミングは、VW・ゴルフが元祖(VWではGTIとすべて大文字表記)。わざわざ同じグレード名にしているのは当然ライバルとして意識しているからだろう。
ボディの大きさは競合の欧州Cセグに準ずるもので、ゴルフをはじめ、ベンツ・Aクラス、BMW・1シリーズ、アルファ・ジュリエッタ、ルノー・メガーヌ、ミニ・クラブマンなどとほぼ同等のスリーサイズ。全長と全高はともかく、横幅は180センチを少し超える。5ナンバー車からの乗り換えだと最初は大きく感じるかもしれないが、運転席からの視界が良好だから慣れるのにそう時間はかからないだろう。
ハンドル小っさ!
ドアを開け乗り込むと、最初に目につくのは小ぶりなハンドルとメーターだ。トップに赤いラインが入り下側が平らになったD型でゆるい楕円形状の革巻きハンドルは、標準的なサイズから2回りほども小さくかつ握りは太め。あたかもレース仕様のようで、気分が盛り上がる。メータークラスター右側に設置された回転計の指針は逆向き(反時計方向)に動き、左のスピードメーターと並んで左右から中央に向かって指針が上昇していくのが面白い。