元横綱千代の富士、九重親方が61歳で死去 角界初の国民栄誉賞を受賞

  • 還暦土俵入りをする九重親方(元横綱千代の富士)=2015年5月31日、両国国技館(撮影・山田俊介)
  • 死去した九重親方(元横綱千代の富士)
  • 2015年5月31日、会見で笑顔を見せる九重親方=両国国技館(撮影・山田俊介)
  • 2015年05月31日、土俵入りのために赤い綱を締める九重親方=両国国技館
  • 2015年10月24日、トークショーに出演した九重親方が=浜名湖ボートレース場(撮影:今井正人)
  • 引退会見で涙を流す千代の富士=平成3年5月14日
  • 千代の富士=1974年


 大相撲の第58代横綱千代の富士として史上3位の優勝31度を誇った九重親方=本名・秋元貢=が31日、死去した。61歳。北海道出身。

 昭和45年秋場所で初土俵を踏み、49年九州場所で十両へ昇進し、50年秋場所で新入幕を果たした。56年初場所には関脇の地位で初優勝し、大関昇進。同年名古屋場所後に横綱の地位に就いた。

 軽量ながら鍛え上げられた肉体で、右前まわしを引きつけての速攻や豪快な上手投げを得意とした。精悍な風貌から「ウルフ」の愛称で親しまれ、角界初の国民栄誉賞を受賞した。

 平成3年夏場所限りで引退。横綱在位は北の湖に次ぎ史上2位の59場所だった。通算勝ち星1045勝は歴代2位。

 4年に九重部屋を継承し、大関千代大海や小結千代鳳ら多くの関取を育てた。20年初場所後に日本相撲協会の理事となり、協会ナンバー2の事業部長に就きながらも26年の理事候補選では落選した。

 27年5月には60歳を前に歴代横綱10人目の還暦土俵入りを披露したが、同年9月に早期の膵臓がんで手術を受けていたことを公表。今年1月の理事候補選は、支持票の不足から土壇場で出馬を断念した。