「スポーティー」と「悪路走破性」を両立
V60 クロスカントリーは想像するに、競合他社のスポーツワゴンやエステートよりもオフロード性能に優れ、ボルボXC60など全高の高い本格SUVよりもキビキビとスポーティーな走りを実現しているように思える。実際、ロードクリアランスが200ミリのクロカン仕様でも、パドルシフトを使ってコーナーを攻める走りがそこそこ楽しめた。本気でラフロードを楽しむならレクサスLXやトヨタ・ランドクルーザーをお勧めするが、V60に乗るだけでも普段の行動範囲が格段に広がることは確かだ。
ディーゼルはコスパも「イイね」
ディーゼル車はなかなか経済的でもある。もちろん、エンジンの大きさや性能など様々な条件が違うので単純に比較するのは難しいが、V60 クロスカントリーのディーゼル車の車両価格は494万円で、FFとAWDの違いこそあるが、同519万円のガソリン車より25万円も安い。燃費も非常に優秀だった。今回の試乗で266キロを走行して実燃費14.9キロ/リットルという好成績をマークしたが、年間1万キロを走ると仮定して、筆者が実際に給油した時の軽油価格112円/リットルで単純計算すると、年間の燃料代は10、000/14.9×112=7万5167円となる。対してV60のガソリン車(ハイオク)はカタログ燃費が12.6キロ/リットル。上記給油時のハイオク全国平均価格が135円/リットルだったので、年間燃料代は10万7142円の計算になる。単なる机上の計算に過ぎないが、その差額は1年で約3万2000円。ガソリン車の実燃費はカタログ値の7掛け前後になることを考えると、ディーゼル車の経済性はさらに際立つはずだ(ちなみに7掛けで計算すると年間のガソリン代は15万3000円で、ディーゼル車との差額は約7万8000円になる)。
V60のディーゼル車は、直噴式エンジンと多段式8速ATを採用することで燃費性能を向上させており、AWD&6速ATのガソリン車より車両重量が60キロも軽く、FFという点も燃費だけ見れば有利に働く。ちなみに試乗を終えて給油したら、3000円以下という安さだった。