【試乗インプレ】「GT」を名乗るハイブリッド、その本性に迫る VWゴルフ GTE(前編) (3/5ページ)

  • 志摩の多島美をバックに。ゴルフGTE
  • ボンネット内のハイブリッドシステム。奥の黒いのが1.4リッターターボエンジン、手前の銀色部分がモーター。パッツンパッツンです。ゴルフGTE
  • パッと見はガソリンモデルと変わらないが、よく見ると…ゴルフGTE
  • グリルからヘッドライトカバーを貫くブルーのラインと向かって左側にブルーの「GTE」バッヂ、バンパー埋め込みのC型ポジションランプは専用装備。フロントのコンビランプがフルLEDなのもゴルフ初。ゴルフGTE
  • ゴルフGTE
  • ハッチバックというジャンルを確立した初代から変わらぬ、太い「く」の字型Cピラー。ゴルフGTE
  • 開口部を全開にすると、ボディーの他の箇所と比べていかにCピラーが太いかがよくわかる。ゴルフGTE
  • ゴテゴテした余計なラインのないクリーンな造形。人によってはつまらないと感じる?ゴルフGTE
  • 右側のリアコンビランプにはひときわ明るく光るリアフォグランプも内蔵。ゴルフGTE
  • C型ポジションランプに囲まれるように2本のフィンが。ちょっとGTIっぽい造形。ゴルフGTE
  • フロントフェンダーにはブルーのエンブレム。GTIはここが赤い。ゴルフGTE
  • ターンシグナル内蔵の自動格納機能付きサイドミラー。ゴルフGTE
  • キーを携帯して外側に触れると施錠、内側に触れると解錠するドアノブ。実はキーの電池切れに備えた鍵穴も隠されている。ゴルフGTE
  • リアコンビランプもフルLED。GTIやRと同じデザイン。いま流行りの導光式LEDではないが、これはこれでカッコイイ。ゴルフGTE
  • マフラーは左2本出し。ゴルフGTE
  • 小振りなシャークフィンアンテナ。ボディー同色でないのが残念。ゴルフGTE
  • タイヤサイズは前後とも225/45R17。大径ディスクブレーキに青く塗られたキャリパーが映える。ゴルフGTE
  • ゴルフGTE
  • 同様のプレスラインが前後ドアをも一直線に貫き、直線基調の造形を強調。ゴルフGTE
  • ゴルフGTE
  • 隙間なく詰め込まれたハイブリッドシステム。あれ?フロントエンブレムが…ゴルフGTE
  • パカッと開いて…ゴルフGTE
  • 中から充電用端子が。そう言えばプラグインハイブリッドでしたね。ゴルフGTE
  • 一見ガソリンエンジンモデルと変わらないように見えるインパネだが…内装の画像、続きは次回後編で。ゴルフGTE


 直進安定性はベース車両のゴルフ譲りで、レールの上を走っているよう。十分に整備された自動車専用道でのドライブなら、どこまでも走っていける気がするほど安心感が高く、ドライバーを疲れさせない。面白いのは、非常に安定していながらも「乗せられている」感じはなく、常にドライバーが主導権を持って操っている感覚が強いところだ。だから、単調な長距離走行でも飽きることがない。くどいようだがゴルフのこういうところ、Cセグの域を完全に超えていると改めて感心する。

 強烈なG 実質ツインチャージャーの“ロケット”モード

 伊勢西インターで一般道に降りて、多島美で知られる賢島方面へ。途中のワインディングロードでエンジンとモーターがフルパワーを発揮する「GTEモード」に切り替える。

 アクセルを底まで踏み込むと、その加速はまさにロケット。後ろでジェット噴射しているのでは…というのは大げさだが、背中がシートに押しつけられる強烈なGを伴って、バッヒューンとすっ飛んでいく。この時、メインの駆動力はエンジンで、モーターは「エレクトリックブースト」と名付けられたスーパーチャージャーのような役割を果たす。搭載された1.4リッターエンジンにはもともとターボがついているので、実質ツインチャージャーと捉えることもできる。

 GTEのエンジンとモーターの合計出力は204馬力の35.7kgf・m。トルクだけならGTIと同値、パワーも-16psと肉薄している。こりゃ速くて当然である。

 長い直線路が続く高速道路では高回転時の出力に優るGTIのほうが速いと思うが、細かい加減速を繰り返す山坂道では、ひょっとするとモーターの瞬発力に優れるGTEのほうが速いかもしれない。

 旋回制御と大径ブレーキの安心感

 ただ速いだけではなく、操縦性もいい。「XDS」という電子旋回制御が常時働いて、前輪駆動車特有のアンダーステアを打ち消してくれるから、普通のスピードで駆け抜けるときは言うまでもなく、思いがけずハイペースでコーナーに突っ込んでしまっても、ABSが効いたときのような「ゴリッ、ゴリッ」という音とハンドルに伝わる手応えとともに減速しつつ、車線をはみ出すことなく安全に、何事もなかったかのようにきれいに曲がっていく。いや、曲げていくと言うほうが的確かもしれない。

ハイブリッド化で重量配分が良くなった?