走行中に気になった点もいくつか挙げよう。まずは乗り心地だが、足回りは硬めということもあって、道路の継ぎ目を通過したときなど突き上げが大きかった。ロードノイズも拾いやすい。17インチから16インチタイヤに履き替えたとしても、ダブルウィッシュボーンのサスペンションを採用するアルファードの上質な乗り心地には勝てないだろう。
走りは想像以上にシャープだが、運転を楽しむという観点では、筆者が好きな中型ミニバン、フォルクスワーゲン「トゥーラン」のほうが上だ。VWはハンドルを通して車体を操っている感覚がダイレクトに伝わってくるが、オデッセイはハンドル、タイヤ、路面の間に何かクッションでも挟んだかのようにクルマとの一体感を欠く。筆者が神経質なだけかもしれないが、低速走行中に、天井に格納した大画面ディスプレイから聞こえる微振動も気になってしまった。
安心の「ホンダ センシング」
今回は2人で試乗したのだが、もちろんミニバンは7、8人の大人数で乗ることを想定しているので、クルマがもっと重いときの動力性能や操縦性、乗り心地も気になってしまう。ミニバンはそういう状態の時こそ、真の実力を問われるからだ。