意外とゆったりキャビン
ドアを開けようとしてドアハンドルと引くと、瞬時にサイドウインドーが少し下がる。これはロードスターにも採用されている機能で、キャビン内の空気を逃がして負圧をなくし、軽い力でドアを開けられるようにする工夫だ。
173センチの筆者が乗り込んでドライビングポジションを決めると、意外にも頭上には拳2つ弱程度の余裕がある。フロントウインドーも傾斜がきついわりにガラス面積が広いおかげで視覚的に窮屈には感じない。幅方向は十分に余裕があり、センターコンソールが高めにもかかわらず、ちょっとした広々感すらある。逆に言えばスポーツカーらしい包まれ感は、さほど強くない。
硬いのに疲れないシート 安心感にも貢献
シートの出来は素晴らしい。肩までサポートするフルバケット形状で、座り心地は硬めなのだが、長時間乗車でも疲れが少なく、もちろんスポーティーに走ったときのサポート加減も抜群だ。低重心でロールが少ないこともあって、ハイスピードコーナーでもシートの中で体がずれるようなことがない。運転操作への悪影響がないので、ハイペースで走っているときの安心感にも大きく貢献している。
お得感ビシビシ 豪華内装
内装の質感は予想以上に高い。試乗車はキャメルの本革と、黒系のアルカンターラがシート、インパネ、ドアパネルと随所に使われており、色使いがスポーティーさを、素材が上質感を醸し出している。300万円台のスポーツカーとしてはかなり頑張った内装と言っていい。
ハンドル、シフトレバー周りももちろん本革が使われていて、こちらも目の詰まった高品質の革が使われており、高級かつスポーティーな触感である。