もう一つ、GVCを実感しやすい場面が直角に曲がる交差点だ。カーブに進入してクイッとハンドルを切ると、やはりドライバーの予測以上に「スィー」っときれいに曲がっていく。とはいえ、その違いは微細だとはっきり断っておく。それでも、実際に運転してみれば「ブレーキ → ステア→ アクセル」の連係動作が滑らかに行われていることに気づくだろう。その効果をすぐに感じ取ることは難しいかもしれないが、長距離ドライブのあとに疲労の軽さを実感したときに、GVCの地味ながらも貢献度の高い働きぶりが身に染みてくると思う。カーブでこれだけ安定していれば、車酔いしやすい同乗者も気分的に少しは楽になるのでは、と思った。
素直で走りやすいミドルセダン
セダンでも走りはスポーティー。トルクフルなエンジンとGVCの組み合わせはキビキビとしたフットワークをもたらす。パドルシフトを使ったマニュアル運転を楽しむこともできるが、ローにシフトダウンするときに「カクン」とつまずくことがあった。ブレーキの利き具合は少し遊びがある印象。筆者はもう少しダイレクトなほうが好みだが、これもひとたび慣れてしまえば問題ないだろう。
刺激的な2.2リッターエンジンとGVCは間違いなくアクセラの大きな魅力。ロードノイズに関しては非常に残念だが、軽くて速くて操縦性もバッチリ。ドライバーにとって、とても素直で走りやすいクルマであることは間違いない。
横浜から逗子、葉山を通り横須賀市に入った。海沿いにある立石公園の無料駐車場にクルマを止め、休憩を挟んで写真撮影をスタートさせた。この間に筆者はカメラマンの邪魔にならないよう気を付けながら、内外装をチェック。おっと、ここから先は後編でのお楽しみということで一旦ストップ。燃費性能や総評も併せてお届けする予定です。乞うご期待。(産経ニュース/SankeiBiz共同取材)
■主なスペック アクセラセダン 22XD PROACTIVE(試乗車)
全長×全幅×全高:4580×1795×1455ミリ
ホイールベース:2700ミリ
車両重量:1440キロ
エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ
総排気量:2188cc
タイヤサイズ:215/45R18
最高出力:129kW(175ps)/4500rpm
最大トルク:420Nm(42.8kgm)/2000rpm
トランスミッション:6速AT
駆動方式:FF
定員:5名
燃料消費率(JC08モード):19.6km/L
燃料タンク容量:軽油51リットル
車両本体価格:283万5000円(税込み)